自宅から出町座にわりとすぐにいける距離にあるわりには、今回初めて入った。会社の事務所が移転しなかったら入る機会も多かったのではないだろうかと思うけど、初めてなんです。
そもそもThe Last Waltsはすでに映像も音源も購入することができるし、ちょいちょい映像の断片を見たことあるけど実際に通しでみるのはこれまた初めて。初めてづくしで、いろいろ楽しみしておりました。
This film should be played loud
Dylanの"Play it fuckin' loud"とは違うが、音がでかくそれぞれの演奏がゴツゴツと殴ってくる感覚。当時のコンサートホールにいるかのような音像にまずしびれてしまった。
いつもの環境がヘッドホンなだけに、体全体で音の上から下まで受け取るのとは全く違うライブ感。ギターがこれだけぶっそうな音をしていたのかとか、ドラムのタイトなビート、ベースの低音が跳ねる感じ、間に流れるキーボードの軽やかさがすばらしい。自分がギター弾くので、よけいにエリック・クラプトンの流ちょうなフレーズとロビー・ロバートソンのピッキングハーモニックスを絡めた攻撃的なフレージング、その違いを如実に感じてすごく面白い。
音で印象的だったのは"The Night They Drove Old Dixie Down"だろうか。オリジナルにはないブラスのイントロから、バスドラムを4拍叩いて、ズダーンッと入る。今までもイントロとしてすばらしいのだけど、表現として陳腐ながら雷を受けたような衝撃。実際にライブでこの曲に対峙したときに受ける衝撃とはこういうものなんだ、という感覚を味わってしまいもうすでにCDには戻れない。Rock of Agesでライブ音源も繰り返し聞いてきたけどこれまでに感じなかった衝撃。これはすごい。
粗もある
見てるとリチャード・マニュエルの声がいまいち本調子でない部分もあったり、なんか音と映像が合ってない場面もあったりする。資料を見ると、あとからオーバーダブされたりしてソロがまるっと入れ替わったりしているという話もあったりして、まあそんなもんかと思ったり。しかしながら映像と音のパワーで圧倒していく感じで、些細なことだなと。
ただこのライブのバックグラウンドを知っていると、インタビュー部分でのロビー・ロバートソンの白々しさとかいろいろ寂しくなってくる。ライブが怖くなったというロビー・ロバートソンの後にThe Bandの曲の中でも好きなStage Frightが流れるところは、なんとも言えない気持ちになり少しばかり涙を流した。そんな寂しさとともにラストシーンのThemaの演奏が妙に心に残る映画でした。
- アーティスト: ザ・バンド
- 出版社/メーカー: Rhino/Warner Bros.
- 発売日: 2013/09/24
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