ARIA The AVVENIREを見たので、感想を残しておこうと思う

『ARIA The AVVENIRE』公式サイト

Blu-ray Boxの発売が発表されて、当時金銭面でDVD Boxなどに手を出せなかった自分としては非常に嬉しいことだった上に、新作が作られるなどという前代未聞の事態にいろいろびっくりした気持ち。亡くなられた川上とも子さんがアテナ役を続投するという発表に嬉しながらも、どのような話になるのかという不安。そもそもあれだけ完全燃焼した最終回を迎えた上での新作で何を書くんだという思い。

すべての感情が頭のなかでぐるぐる駆け巡りながら、映画館で見たものはなんと言いようもないぐらいARIAだった

結論から書いてしまうと、こういうポエムになってしまうわけですが今日、2回目のARIAを見に行ったのでここらで感想を残しておこうとかと思います。

何から何までARIA

先に書いてしまったんですが、ARIAの新作が作られるとか一体何の間違いがあったんだと映画見るまで思ってたんですよ。

自分はAQUAというタイトルだったころから、それこそ今はなきエニックスの雑誌ステンシルに連載されていたころからそれはもう愛してやまない作品で、かつアニメと原作が最も幸せな邂逅をはたした作品だと思っているので*1、一体これ以上何を描くのかと。たしかにやっていないエピソードはいくつもあるので、そこからチョイスできるだろうけどあの当時の空気感を出せるのだろうかと。大好きな作品だからこそ下手なものださないでくれ……といろいろ考えていたわけですが。

冒頭の風景と音楽、灯里の声、アイちゃんの声、そしてウンディーネがOPに寄り添って流れてきたらもうそこはすばらしきARIAの世界でした。このOPを見た後はもうそのままその世界に飛び込んでいって、ラストまでハンカチが手放せない状態になっちゃいましたね。エピソード的にはアリシアの裏誕生日回とケットシーとの別れ、そして天野こずえ先生が残していたプロットからの新規の話とこれまた度肝を抜かれる展開。パンフレットにもARIAを完結した時点で完全燃焼していたのは、読者にもわかっていたのでまさかまさかの新規エピソードは驚きだったと同時に、これは必要だなと納得してしまう内容。そういったエピソードを横糸とすると、そこに次の世代に継承していくという縦糸が丁寧に織り込まれて、非常に美しい織物ができあがり、それを劇場で見ることができる。こんな素敵な未来が、マッグガーデンのアレコレでAQUAの連載がどうなるのやらという心配をしていたあの頃の自分が想像できたであろうか。

ほんと、いまだに満ち足りた気分です。

どうしようもなくARIA

2回映画をみて思ったのは、新規エピソード部分は気づいていなかったけど最後にかけていたピースがやっとはまったということなのかなということですね。ARIAは基本灯里の視点で話を進めるので、灯里のプリマ昇格を渋っていたアリシアはあの時一体何を思って何が背中を押したのかというところはそれほど深く描かれていなかったように記憶なんですよね。パンフレットの対談でもこのへんの話をしていて、ほんとにもう初めからそこにあったようなこの感覚は制作陣すごすぎるやろと。監督もそうだけど、今回の脚本吉田玲子でそらもう自分好きやろこんな話という感じ、手のひらにころころ転がされ続けていますわ。

後はアテナの扱い。このあたりはやはり新規に声をいれられないので、うまくつくってるなぁ……という印象。歌を担当していた河井さんも川上さんも亡くなられていて、なお存在感溢れるシーンが作られるのはすてきだなぁ。パンフレットの新作書き下ろし漫画は、いつもこの二人の声を想像しながらアテナの台詞を読んでいます。

余談ですが、アニメ1stシーズンから10年ということらしいですが、アニメ化前にやっていたARIAのドラマCD、灯里役が水橋かおりだったりするのでもう10年以上の付き合いのひともいるんですな。他にもARIAを見て声優になった茅野さんが今回新規キャラで参加していたり、いろいろな意味で継承を見られるこの作品はそういう構造を呼び寄せているのかもしれないなぁと思います。閑話休題

正直な話、ここまで未来に向けた話を見せられるとあと2,3本後輩たちの話が見たい欲がにょきにょきと顔を出してきます。そんな風に思ってしまうほど、今回の映画はどうしようもなく何から何までARIAでした。ホント監督以下制作陣、天野先生には頭が上がらない思いです。ありがとうございます

映画館でまた見たい

そういや今回、いろいろあって初回は新宿ピカデリーで見てきたんですがちょっと奮発してプラチナシートで見ました。

www.smt-cinema.com

チケットそのものは、通常通り発券機で出したのでゴージャスな感じはないですが非常にゆったりと見ることができました。ソファもやわらかく長時間座っても苦にならないし、なにより他者の動きとかを気にしなくてもすむような構造になっているので、とても作品に没頭できました。ウェイティングルームでの丁寧な応対に、ちょっとばかり「俺場違いじゃね?」と思ったところはありましたが、とても快適に映画が見られるので良い贅沢した気持ちになれますぜ。

2回目は地元京都、MOVIX京都。映画けいおん!でもたまこラブストーリーでも2014年版ゴジラでもお世話になりました。3回目もまた見に行きますか。

ARIA The ANIMATION Blu-ray BOX

ARIA The ANIMATION Blu-ray BOX

後はBD Boxの発売を待つばかり。

*1:原作最終話でアイちゃんが新人として出てきたときは、ぼろぼろに涙を流したクチ