ヘーゲル哲学に学ぶ考え抜く力を読んで、つらつらと考える

書いた人を知っているということもあって購入していて(紙の方を予約してたのを忘れてKindleでも購入したのはご愛嬌)、今の仕事にも通じるところがあるなぁと思いながら読み進めていたら結構時間がかかってしまった。まあこれは単純に集中力に欠けてるというところもあるのだが。

さて、本の感想だが端的に書くと「考えること」が必要な今の自分にはあらためて考え方の土台ってこういうことよね、と再確認ができた本だった。ここ最近の自分のことを振り返ると、半分マネージメント的な仕事もしつつ、作るものの概念を見出してシステムを設計して実際に自分自身が、もしくは他者とコード書いていくようなことが多い。そのため設計の話であればDDDのエヴァンス本やその他様々な設計の本などからインプット、そしてアウトプットを出すという感じになっている。

本書を読んで、今の仕事でやってることはまさしく考え抜くことであると思った。本書から一例出すとすると「アウフヘーベン」の記述についてだろうか。帯にも書かれているが本来の意味では「概念を洗練させてよりよくする」ということであるが、これをたとえばDDDに置き換えるなら蒸留という言葉で表されるものであるし、よりよくしていくという観点で見ればイテレーティブな開発に置き換えることも可能だろう。これらは似ているというより、土台として本書で述べられてる考え抜く力がありその一つの表れという形なのであろうと思う。ITシステムを構築する身にとっては、基盤としてこの本を読んでおくのがいいのではないだろうか、と思うぐらいバチバチ当てはまってくる箇所が多いと思う。5章の「認識」を考え抜く、も面白い。インプットのデータがなにかしらの解釈自体を含んでいることなどは、仕事をしているとよく経験するのではないだろうか。パターン(本書であればカテゴリーと言われるものか)に当てはめることは多いが、それが絶対ではないこととかよくあることである。

全体的に平易な記述が多く、とても読みやすい本だと思った。あとがきに書かれてる試みは、自分に関しては狙い通りだったとお伝えしておきますね。