ネタバレになりそうな気もするゴジラ キングオブモンスターズ感想

godzilla-movie.jp

うまいこと時間が調整できたので、初日にさっさと見てきた。予告やちらほら流れてくるvsシリーズっぽいというお話に少し胸を踊らせて、19時からの回に。

結論からいうと、これは売れそうだなぁと思った。ハリウッドが作った大娯楽映画。派手なシーンも多く、あのキングギドララドンモスラがこれでもかと動きまくって見せ場も多い。音楽も伊福部昭のあのテーマを盛り込みつつ、面白い仕上がり。監督自身がおそらくほとんどのゴジラ映画は見てるんだろうなぁと思えるオマージュの数々、特撮好きがこぞってどれが元ネタか探そうとするだろう。話のネタとしては申し分ない。これを見るにあたって予習はいらないと思うが、もし数々のオマージュが何かを知っておきたいのであれば、この辺を最低限押さえておくといいんじゃないだろうか。

ゴジラ

ゴジラ

ゴジラVSデストロイア

ゴジラVSデストロイア

ゴジラVSメカゴジラ

ゴジラVSメカゴジラ

怪獣大戦争

怪獣大戦争

怪獣総進撃

怪獣総進撃

空の大怪獣 ラドン

空の大怪獣 ラドン

モスラ(1961)

モスラ(1961)

ストーリーもまあこういう荒唐無稽さというのは頭を空っぽにしてみる映画としては気にしなくてもいい、と振り切った感じになってるので気にしない人は気にしなさそう。マッドサイエンティストっぽい人たちはそれこそ初代の芹沢博士とか、メカゴジラの逆襲の真船博士とかもいたわけだし、復讐に燃える人と言えばvsスペースゴジラの結城さん*1とかもいたりあまり気にならず。

オルカの扱いなんかは怪獣総進撃の怪獣ランドとか怪獣大戦争のあれとかに近いのかなーとか。それこそ各地に怪獣が出現して暴れ出すというところなんかは、まんま怪獣総進撃でキラアク星人に操られた怪獣が世界各地に現れて破壊を尽くすというところに他ならず。そういや声に反応するネタだと84年のゴジラもそんなんだったなーとか。流石にモナーク環境テロリストそれぞれのザルさはなんなんだろうと思ったりしましたが、モナークがヘリで基地に着陸するところとか、完全にvsメカゴジラだしそういうメカ描写も面白いところはあった。もっとやるなら東宝特撮らしくメーサーとかああいうの出してくれてもいいのよ。

関西に住まうvsシリーズドンピシャ世代としてはエンディングのGodzillaのカバーに嬉しくもあったりした。


読売TV「ゴジラ復活作戦第2号」タイトル


読売TV「ゴジラ復活作戦」タイトル

vsシリーズっぽいというは確かにそうかと思える。2014年のギャレゴジやシン・ゴジラとは違う手触りでエンタメとしてのゴジラ映画であり、昭和のシリーズやvsシリーズに近い。いわゆる怪獣プロレスを求めている層だとドンピシャなんじゃないだろうか。


とかつらつら書いてきたけど、個人的には、最後まで映画にのれなかった。自分自身vsシリーズドンピシャで、昭和シリーズも全部見てきた。要素要素で見ると好きなものもたくさんあり、そういう細かいところをつつく楽しみ方もできてたし、南極でのギドラ登場〜ゴジラとのバトルシーンやラドンソニックブームなんかもすごかった。

そう映像はすごいものがあった。

すごかったけど、なんか自分にはグッと来なかった。

何がしっくりきてないんだろう? 見終わってから考えてみたのだが、映画として没入しずらい構成に感じた。序盤の方はそうでもなかったのだが、南極のバトルあたりから全体的な流れを感じずとりあえず見せたいシーンを繋げまくったという印象が残っている。また人が足元にいる中、怪獣たちのバトルが繰り広げられる箇所がやたらと多かった。おそらく物事がシームレスに繋がってるということなんだろうけど、怪獣の取っ組み合いをちゃんと見たいのに度々視点が人の方にいってしまうので、途中で意識が途切れてしまった。あとやたらカメラが近いので、もうちょっと空間を持たせて作ってほしかった。

役者さんたちもいいキャラしてるなーというのが多くていいんだけど、結構な脱落者が出てしまって色々もったいないなーと思ってしまう。そこらへん文化の違いなのかもしれないけど、芹沢博士の重みが薄らいでしまってなんだかなーという気持ちです。

結局のところ、映画としての緩急を感じられなかったのが、自分がのれなかったところなのかなと思う。良くも悪くもずっと高カロリーの油物が立て続けにくる映画。そこに自分はさっぱりとしたサラダ類などがほしかった。そんな気持ちです。


ただ来年にはコングとのマッチが控えていて、果たしてどうなるのかという期待は今から持っている。実際に今回のゴジラはかなり評判いいみたいだし、今後も作られていくことになるかもしれない。そうやって火を絶やさないようにはしてほしいと思う。多分見にいっている。

出町座でThe Last Waltzを見てきた

きた

lastwaltz.net-broadway.com

自宅から出町座にわりとすぐにいける距離にあるわりには、今回初めて入った。会社の事務所が移転しなかったら入る機会も多かったのではないだろうかと思うけど、初めてなんです。

そもそもThe Last Waltsはすでに映像も音源も購入することができるし、ちょいちょい映像の断片を見たことあるけど実際に通しでみるのはこれまた初めて。初めてづくしで、いろいろ楽しみしておりました。

This film should be played loud

Dylanの"Play it fuckin' loud"とは違うが、音がでかくそれぞれの演奏がゴツゴツと殴ってくる感覚。当時のコンサートホールにいるかのような音像にまずしびれてしまった。

いつもの環境がヘッドホンなだけに、体全体で音の上から下まで受け取るのとは全く違うライブ感。ギターがこれだけぶっそうな音をしていたのかとか、ドラムのタイトなビート、ベースの低音が跳ねる感じ、間に流れるキーボードの軽やかさがすばらしい。自分がギター弾くので、よけいにエリック・クラプトンの流ちょうなフレーズとロビー・ロバートソンのピッキングハーモニックスを絡めた攻撃的なフレージング、その違いを如実に感じてすごく面白い。

音で印象的だったのは"The Night They Drove Old Dixie Down"だろうか。オリジナルにはないブラスのイントロから、バスドラムを4拍叩いて、ズダーンッと入る。今までもイントロとしてすばらしいのだけど、表現として陳腐ながら雷を受けたような衝撃。実際にライブでこの曲に対峙したときに受ける衝撃とはこういうものなんだ、という感覚を味わってしまいもうすでにCDには戻れない。Rock of Agesでライブ音源も繰り返し聞いてきたけどこれまでに感じなかった衝撃。これはすごい。

粗もある

これ見る

見てるとリチャード・マニュエルの声がいまいち本調子でない部分もあったり、なんか音と映像が合ってない場面もあったりする。資料を見ると、あとからオーバーダブされたりしてソロがまるっと入れ替わったりしているという話もあったりして、まあそんなもんかと思ったり。しかしながら映像と音のパワーで圧倒していく感じで、些細なことだなと。

ただこのライブのバックグラウンドを知っていると、インタビュー部分でのロビー・ロバートソンの白々しさとかいろいろ寂しくなってくる。ライブが怖くなったというロビー・ロバートソンの後にThe Bandの曲の中でも好きなStage Frightが流れるところは、なんとも言えない気持ちになり少しばかり涙を流した。そんな寂しさとともにラストシーンのThemaの演奏が妙に心に残る映画でした。

The Last Waltz

The Last Waltz

The Beatles EIGHT DAYS A WEEK THE TOURING YEARSを見てきた

thebeatles-eightdaysaweek.jp

いくらThe Beatles好きだからといって*1、ぶっちゃけアンソロジーシリーズでいろいろライブ音源は出てるし、Live at the bbcシリーズで質のよいライブ音源もあるし……とそれほど期待せずにいきましたが全体的にはなかなか面白い内容でありました。

基本的にはライブ活動を通したビートルズという切り口で進んでいくので、ライブ活動を停止した後期ビートルズあたりはLet it be時期まですっ飛んでいくし、ライブ活動を停止するまでのメンバーの気持ちのうつりかわりなんかはアンソロジーシリーズを言及するまでもなく、様々な媒体で描かれてきたことなので基本的には知ってる話である。

ただあの時代の空気感をいかに伝えるかというところは結構頑張っていたと思う。観衆がShe loves youを合唱しているシーンが白黒の映像で映し出されたが、あのシーンは結構胸にきた。今の時代にああいう風に歌うことあるのかなぁという思いとともに、あの時代の空気感を感じた。またあの頃世界的(というかアメリカに絞ってか……)にどういう事件があったかも関連づけられ、公民権運動の激しいアメリカ南部の公演では契約で白人黒人分けることはまかりならんと突っぱねる新事実もあったり、結構世界史を勉強した記憶を掘り起こされたりしました。

後はリアルタイムで体験してきた人にインタビュー取るのはうまいなぁと。あのときどうだったのかを語るにはよいもっていきかたですな。

それにしても拡大していくライブ会場で、まともなPAもない状況なのにあれだけ残っている音源などでレベルの高い演奏をしているのが、ハンブルグ時代などでもまれまくったためなのかなんなのか。映画のあとにシェアスタジアムでのライブ映像が30分流れていましたが、5万人という大観衆の中で演奏がよれることもなくきっちり仕事していったのがすさまじい。自分の身に置き換えたときにまともなモニターもなく自分も音も聞こえない状態で、なぜあの演奏ができるのか、そのへんこともしっかり掘り下げてほしかったなぁとは思う。

なので個人的な感想としてはThe Beatlesのライブ活動を俯瞰するにはよい映画、でももっと細かなところを掘り下げるのもしてほしかったというところでしょうか。2時間半という長丁場なのでちとおすすめしにくいけど、それなりに満足感はあるのでひまなときに見てみるのもよいのではないでしょうか。

そういやちょっと前にハリウッド・ボウルでのライブ音源がCDとして出ていて、自分もちょくちょく聴いているのだけどこれのレビューはまた別にあげようかな。

*1:しかもめんどくさい勢である

シン・ゴジラの見た内容を反芻して、連想した特撮映画を羅列するだけ


『シン・ゴジラ』予告2

特に2回目を見に行ったわけではないけど、時間をおいて内容を反芻するとあれはこれのオマージュだったりするのかなとか、いろいろ連想するところがあるので、メモがてら書いていく。いうまでもなくネタバレありです。

経口摂取

わかりやすいところからいくと今回の決め手になった経口摂取。すぐ思いつくのはvsビオランテでの抗核エネルギーバクテリアゴジラの口の中にバズーカでぶちこんで「薬は注射より飲むのに限るぜ、ゴジラさん!」と権堂一佐が言い放つシーンですな。ゴジラの生物的な細かい話なんかもこのへんからフォーカスされていた気がします。

経口摂取的な話でいうと印象深いのはガメラ対ギャオス。

人を主食とするギャオスに対して、人の血液に似た味と成分を持った液体を生産しそれをつかってとある装置までおびき寄せて、活動できない朝まで釘付けにするという作戦。無理矢理かおびき寄せるの違いや飲ませるものの意義が異なるので直接的ではないですが、ある意味シン・ゴジラでの展開と似たところもある。

血液凝固剤

血液凝固剤が出てくるとそういえば……と思うのが、vsスペースゴジラ。結城スペシャルと名付けられた血液凝固剤入り弾丸をゴジラの脇の下にぶち込むのだがはたして血管にまでたどり着くのだろうかと当時見ていて思ったものだが……なおこの映画でゴジラへの復讐に燃える結城さんはシン・ゴジラ官房長官役だった柄本明氏。レバガチャしつつMOGERAをスペースゴジラに突進させていったシーンはかっこいい。vsスペースゴジラは名作とは言えないけど、好きなシーンもありわりと愛される映画であるとは思う。

赤いゴジラ

真っ先に思い出すのがvsデストロイアでの死にかけのゴジラ。こう赤い色は不安感を感じますな。

カヨコ・アン・パタースンおよびその他登場人物のあれこれ

raydive.hatenablog.jp

カヨコ・アン・パタースンって金星人枠よね。

と書くとわかりづらいので説明すると、昭和の東宝特撮のパターンとして主人公のいる組織なりチームなりに外部から異質の人物が入ってくる、それも見目麗しい美女が、というのが少なからず存在する。そういうのが物語をドライブさせる装置だったりしており、この例だと三大怪獣地球最大の決戦で登場するサルノ王女(金星人と名乗り出てくる)の例がなんとなく雰囲気が近かったのであげてみた。*1

最近話題の尾藤ヒロミなんかはキャラ付けとしては異なるけど、立ち位置的に星由里子のやっていた進藤直子に近い感じ。なにかしらの手がかりをあたえたりしているところなんかは個人的に当たるなぁと思う。安田さんなんかは怪獣大戦争で久保明がやっていた役なんかかぶるところを感じる。

ある種ストーリーとしては王道な作りだとは思うので、いろいろ当てはめることはできるかと思いますが。シン・ゴジラに出てくる人は劇中のいわゆる博士役的な役割を複数人に与えているわけだし。

体から放射

シン・ゴジラだと背中やしっぽから熱戦を出すようになっていたけど、vsシリーズだと体から放射するようになっていて、相手の怪獣を吹っ飛ばしたりしている。これを初めて見たときはかなりの驚きがあったものだ。

巨大なビル群に囲まれるゴジラ

ゴジラ ('84)

ゴジラ ('84)

個人的には1984年のゴジラ。下から見上げるゴジラの両隣にでかいビルが写るカットがあるのだが、あれと同じ感覚を受けた。

巨大なビル群に押しつぶされるゴジラ

ゴジラVSモスラ

ゴジラVSモスラ

ミレニアムシリーズはあまり見てないので、どうしてもvsシリーズが想起される。とはいってもシン・ゴジラはカット的にいままでのとは異なる見せ方をしていて、すばらしかった。

変化するゴジラ

ゴジラ対ヘドラ

ゴジラ対ヘドラ

空を飛ぶゴジラに度肝を抜かれる可能性もありますが、中身はシリアスなところもある対ヘドラ。でかいオタマジャクシだったり、陸上に上がったり、空飛んだりする変化するヘドラシン・ゴジラもある種人災的なところもありそういう点でも連想してしまう。

ここまで

あとは思いついたら追記していってみるか。

シン・ゴジラ音楽集

シン・ゴジラ音楽集

*1:とはいえ、銃撃戦とかないわけですが

シン・ゴジラを見たんだ(ネタバレあるかも)

www.shin-godzilla.jp

実は東宝特撮大好きなんですよ。

小さいころに84年のゴジラをテレビで見て、画面からこちらをにらみつけるゴジラに恐怖。同時期ぐらいにテレビでやっていたラドン地球防衛軍を何度も繰り返して見てるうちに、リアルタイムでvsシリーズの洗礼を受けつつ過去の昭和ゴジラも含めて昭和の東宝特撮をだいたい見て、vsデストロイアで最期を看取った。(ハリウッドと)ミレニアムシリーズでがっかりしたときを経て、再びのハリウッドでの映画で多少の溜飲を下げた。それが自分の東宝特撮遍歴であるわけです。

そんな自分がシン・ゴジラを見てきたわけですが……なるほど面白かった地震津波原発でいろいろあった今の日本で、リアリティを追求してゴジラを作るとなるとこうなるよなというのが十二分にわかる。そしてそれをしっかりと映像の説得力をもって作るとなるとこうなるんだ!という庵野総監督以下スタッフの力を見たと思います。一部で早口が気になる人もいるみたいだが自分は特に気にならなかったし、映画全体がスピーディーに展開して今までの東宝特撮ではあまり見たことのないカメラワークや各所にあふれる過去の特撮へのオマージュも見所であった。会議のシーンもカット割りの妙と役者の演技で飽きることもなく。*1話の展開としては全般的に淡々とした印象もありつつ感情をにじませる瞬間がアクセントになって、映画に引き込むのにも効果的であった。石原ひとみ演じるカヨコってあれ、言ってしまえば三大怪獣 地球最大の決戦の金星人とかその枠ですよね。だんだん時間たつにつれ心開いていく感じは、とっても昭和の東宝特撮っぽい感じがあってよかったです。なんだ十分に恋愛枠あるじゃないですか。

BGM面だと、やっぱ伊福部昭の曲が使われると「ああ、東宝特撮だな」とすり込まれているせいか満足度は高いです。エヴァは全く見たことないので、鷺巣詩郎のスコアも特に違和感なく場面場面にあった内容だったと思います。サントラほしいですね。

シン・ゴジラ音楽集

シン・ゴジラ音楽集

さて肝心の今回のゴジラですが確かにこんなのいたら怖い。vsシリーズで育ってきた身なので、ある種感情表現が豊かなゴジラをたくさん見てきているので、この話の通じなさそうなところが怖い。動き自体はとても多彩だったのにほんとに何を考えているのかわからないところが怖い。個人的には初代ゴジラとも84ゴジラとも違う怖さを感じて、また新しいゴジラ像ができあがったのかなという感じです。あと、青空の下でその姿を見ることができたのがよかったかなと。空間の広さを感じるとともにそこに異物がいるという違和感が嫌さを醸し出していました。ラストのあのカットはうーんどうなんだろう、個人的には若干蛇足感を感じるのですが。

最後に物足りない部分。シン・ゴジラは映画としてこういう路線で作るのは全く問題ないと思うのですが、自分が一番好きなゴジラ映画が怪獣総進撃のせいかやっぱり他の怪獣と戦うような迫力のあるシーンが見たいというがありまして。そういう「おおっ!?」と思えるシーンが少なかったのは若干物足りなさを感じました。*2 ラストのヤシオリ作戦も絵的には地味で思わず拳を握ってしまうような感情にはならなかったので、もしあらたにゴジラ映画を作るのであればそれこそ怪獣がいっぱい出てきて熱い展開もあるお祭り映画を作ってほしいなと思います。この人たちならたぶんできる。

まだまだ日本の映画はやれますよ。

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

ジ・アート・オブ・シン・ゴジラ

*1:柄本明さんが出るたびに「あっ、結城さん」と思ってしまうのはしかたないと思いたい

*2:2014年のgodzillaのほうがそういう意味では熱い部分が多かったかな

劇場版響け!ユーフォニアムを見てきた

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しばらく時間的に合わなかったのだけど、丁度舞台挨拶回のチケットをとれたので見てきました。

テレビシリーズは全部見たしというかBD全部購入しているのでお話的にはよーく知ってるわけですが、やっぱりね大吉山のシーンは美しいねほんと。誰かと音を奏でる美しさが際立ったシーンと言えましょう。

音声は全部撮りなおしたとのことで、テレビ放映のときより全体的に抑えめの印象。生っぽい雰囲気があって結構好きでした。一ついうなら久美子が橋を走るシーンはテレビ放映版のほうが好きかなーというところ。劇場版と比べると急激にくる感情の発露が自分の心をぐらぐら揺らしてくれるので、味付けのしかたはこちらが好みですね。

演奏シーンはテレビ放映から追加で入ったシーンもありボリュームアップ。逆に細々としたエピソードはばんばんカットされていて、制作者的にはこの部分は本筋じゃないんだなというところがわかって面白い。自分が見たかぎりでは必要十分なシーンがあったと思うので、秋頃の2期に向けて……ということを考えるときっちり要点は押さえられた内容だったのではないかと思います。

舞台挨拶はキャスト4名と石原監督が登壇。すっと背筋を伸ばして周囲を見回す黒沢ともよさんとなにかしら体の一部を動かしている安済知佳さんの対比が、劇中の久美子と麗奈の印象と逆に感じてしまいちょっと面白かった。舞台挨拶が映画の始まる前にあったこともあり、あまり突っ込んだ話ができなさそうでちょっと大変なようにも見えましたが、なかなか楽しい時間でした。

ひとまずは2期に期待ですねー。そのときにはまた出町桝形商店街に貼られているポスターもかわるのでしょうか。ハイ☆スピード!とかも貼られていたしなー。

久々に劇場版ガールズアンドパンツァーを見て、リボンの武者を揃えた話

久々に見る

昨日関西DDD.java 【京都再演】ドメイン駆動設計のためのオブジェクト指向入門に参加したあと、まだTジョイ京都でやっていた劇場版ガールズアンドパンツァーのチケット予約をしていたので、そのまま移動して見てきました。

数回見に行った映画って、たまこラブストーリーか劇場版アイドルマスターぐらいなのだけど、今回のガルパンは音周りの調整をしっかりやってたのかしらと思うほど迫力があった。初めて見に行ったときが最大席数のシアター10だったけどここまで音がしっかりはしてなかった印象で、映像のほうが強烈だったのだけど、今回のシアター2では砲撃の着弾音で体が振動してる感覚を覚えたので、いろいろ変わってるんじゃなかろうか。立川や塚口、4DXはまだ行ったことないのでこれとどの程度変わってくるのかわかりませんが、近場の映画館に足を運んで見るのもよいかもしれませんな。

もうだいぶ長い間流れてるので、内容の方も触れてもいいだろう。

  • みほが実家に帰った際、母親は気づいてたんじゃないかなぁと思う。まほとのやり取りの時点で子供の嘘を見逃してあげたというか。
  • やっぱりダージリンの暗躍っぷりがよい。大局観があるというか、人の動かし方がわかってるのが実に実に。
  • 再び廃校話には賛否両論あるみたいだけど、個人的には彼女らの根底を脅かすのに一番インパクトあるのは廃校かなぁという印象がある。みほを再び黒森峰に戻ってしまうとか、いかにも無理やりな感じがするし、TVシリーズ見た人も劇場版が初めての人も無理なく危機とわかるのはそれぐらいじゃないかな。
  • そしてかつて戦った相手が味方としてかけつけるという話の筋、やっぱり燃えますよ。
  • アンツィオ高校がいいところに収まっていて、じんわりする。コミックスでのアンツィオ戦はみほの覚悟がある種問われるところで、アンチョビもなかなか厳しい描かれ方されているけど、OVAを経て良いキャラに育ったよなぁと感慨深い。
  • 遊園地跡地での戦闘はもう作ってる人がやりたいことつめこんでるだろと言いたくなる。観覧車のシーンも好きだが、知波単学園のコミカルなところが一服の清涼剤になっていてよい。

とまあ他にも映画にはいろいろネタぶちこんでるだろうけど、なかなか覚えきれないので早いところBDを手に入れたいところですね。

ここまでが昨日の話。そして今日、Amazonをのぞいていたらスピンオフコミックスが結構出ているのに気が付きまして。TVシリーズ頃は本編のコミックスとリトルアーミー*1ぐらいだったので、やたらと増えてる。

ということで、いろいろ話題になっていたリボンの武者をKindleで一括購入。

さくっと読んでしまうほど、おもしろい。そして絵のせいか、みんな悪い顔をしていて思わず大爆笑。ダージリンの笑顔にぞくっとするし、カチューシャは暴君という名がふさわしいぐらい邪悪な笑みを浮かべるし、やはり一癖も二癖もあるやつらだなこいつら!という感想がぴったり。西住みほの描き方はどこかでみたなーという記憶をたどると、咲阿知賀編での咲の描き方と似てますね。

作品の構造としては咲もガルパンも同じ系統だなという印象をもっていたので、この描き方は納得。あと大洗の面々が化け物じみた能力を発揮してて、「そりゃ優勝するよね」という気持ちになる。読むとわかりますが、めちゃ強そうですもん。

監修の鈴木貴昭さんが入っているし、野上武志さんが描いているのでアニメとの雰囲気の違いはあるけど世界観はガルパン。BDについてきた設定資料集などに散りばめられていた設定等がしっかり息づいているので、そういう細かいところ考える人にもよいのではないのでしょうか。おもしろいです。

*1:これもいい話なので読んで欲しい。そしてTV最終話を続けて見てほしい