Clean Agile読了

「我々はソフトウェア開発のプロフェッショナルである」、という熱さが匂い立つような書籍だ。

毎度ボブおじさんの本は面白いなぁと思っているが、今回のはあくまで読み物として書かれているだけあってClean Architecture 達人に学ぶソフトウェアの構造と設計 (アスキードワンゴ)と比較するとさらっと読むことができた。

raydive.hatenablog.jp

内容としてはアジャイルマニュフェストを作ったときから変化してしまったアジャイルについて、今一度ボブおじさんの考えが書かれているわけだが、自分はそれ以上に冒頭の「ソフトウェア開発者のプロフェッショナル」としてどうふるまうのか?を真摯に問いかけてきている気がしてならない。プロフェッショナルとは何か?それは顧客のビジネスに価値を届けること。そのためには高品質なものが必要だし、顧客が知るべきものを伝えなきゃいけないし、伝えるためには密接なコラボレーションがいる。で、それを行うために必要なのがTDDだったり計画ゲームだったりとアジャイルで行われているプラクティス。ここにいたるまでのボブおじさんの経験がギッチリ詰まっている。

一章割かれて書かれているソフトウェアクラフトマンシップを例に出すまでもなく、アジャイルとは単純なプロセスではなく、プロフェッショナルとして価値を届けるための意識なんだというボブおじさんの「心の叫び」が聞こえる。ともすれば、それは自分にとってちゃんとプロとして全力を尽くしているのか、と多少怒られているところもあり読みながら反省することしきりであった。そして思い返せばClean CodeやClean Architectureに通ずるところのある哲学を感じる。DDDもこのあたりの意識を持って生まれてきたモノなんじゃないかというところも透けて見える。結局のところ、自分自身の意識をチームの意識を、こういったところに持っていくべきということをひしひしと感じた一冊であった。